イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

2020-01-01から1年間の記事一覧

何はともあれ、みなさん、よいお年をお迎えください!

ロシアに住んでいると、この時期、混乱するのがあいさつのタイミング。 ロシアでは新年の後に正教会のクリスマスがきて、その後で旧正月。 日本はクリスマスの後に新年。 中国の新年はまだだいぶ先。 ヨーロッパはクリスマスに挨拶をする風習があり、新年も…

海外マイあさラジオで年越しの話題&クリスマスのカソリック教会

お知らせが遅れてしまって恐縮ですが、 12月26日の早朝のNHKラジオ「マイあさ!」という番組の 「海外マイあさだより」というコーナーで、 イルクーツクの年越しの様子などについてレポートさせていただきました。 聞き逃しサービスで来年1月2日の4:55ま…

イルクーツクの奇景 結晶編+スラバ・カロッテ作品のインターネット展示atイニシャルギャラリー

自然の造形が、至近距離で鑑賞できてしまうのが、シベリアの冬。 朝、これを見て感激していたら、 夜、奇跡のようなレベルの結晶が現れ、打ちのめされた。 これ と、これを 別々に見つけたとしても、十分奇跡なのに、 この二つがつながって、鳥の翼のように…

ツリーつらつら

新年を迎える準備、着々と進行中。 お祭りって存在は浮かれ者だけど正直者。 とくに期日はしっかりすぎるほど守ってくれる。 ロシアのクリスマスは1月7日なので、 年内締め切りの仕事を抱えていると、 この風景がもたらす焦りは、正直、 日本でツリーを見た…

(こっそり独り言)酒は人生にとって何なのか

酔っぱらいにどう対処するか。 それは、ロシアで不可欠の知識だ。 いや、ロシア全土というわけではなく、 シベリアがとくに、なのかもしれないが、 とにかく、ちまたにのん兵衛が多く、 有り金をすべてお酒につぎ込み、 昼から酒盛りをしている人が山ほどい…

イルクーツクの奇景 タイムトラベル編 消えてしまった世界最大級

ずっと前から話には聞いていたけれど、 ただ聞くことしかできず、残念に思っていたもの。 それはかつてイルクーツクにあったけど、 その後、壊されてしまったといわれる、 世界最大のティーポット。 そんなものがあったなんて、 さすが、かつて中国からヨー…

イルクーツクの奇景 浜松的ガソリンスタンド編

夫のスラバは、私の実家がある浜松がとても好きだ。 恥ずかしながら、たぶん私以上に。 帰省時、彼と一緒に浜松をめぐることで、 新たに見つかった魅力は多い。 ある秋の日、ステッカー大好きのスラバから 「バイクに貼るから浜松の市章入りのステッカーを作…

おおらかで多様な住宅事情

集広舎に連載中の『シベリア・イルクーツク生活日記』を更新しました。 shukousha.com 三つ子の魂、百まで、といいますが、 住むところが変わっても、関心がもてるものは、なかなか変わらないようです。 自然災害、建物のデザイン、街の美観、文化遺産、イン…

バイカル湖岸鉄道についてラジオでおしゃべり

明日10月24日早朝の5時46分前後から、 NHKラジオ「マイあさ!」という番組の「海外マイあさだより」というコーナーで、バイカル湖岸鉄道の旅についてお話しします。 マイあさ! - NHK 朝なので、幽霊話は出てきませんが、 早起きが苦手な方でも、 追って…

キノコとイソギンチャクはどこか似ている

昨晩、日付が明けた後の零時10分から、NHKラジオ深夜便アジアリポートで、 先日起きた地震とキノコ狩りについてお話ししました。 生放送ではあったけれど、こちらの聞き逃しサービスで聴けるもよう。 ラジオ深夜便 聴き逃し- NHK 地震とキノコは、地面繋…

ラジオ深夜便「アジアリポート」

ぎりぎりのお知らせになって恐縮ですが、今晩深夜0時10分のラジオ深夜便「アジアリポート」で、イルクーツクからおしゃべりします。

記念日はハルマゲドン

昨日はジョンレノンの生誕80周年を アルメニア人の友人、エミンさんのバーで祝った。 当然、話題の多くはアルメニア情勢に。 ちなみに昨日は、今年初の積雪にして、雪嵐。 記念日の準備をしていたとき、スラバが 「今晩はハルマゲドンになるらしい」 と言っ…

ジョン・レノン生誕80周年

今日はジョン・レノンの生誕80周年の記念日。 「イマジン」の世界はまだまだ実現しているとは言い難いけれど、 心から祈るのは、ただひとつ、Love & Peace!! このポスターは、スラバ・カロッテの作品「Lennon」に、 素人の私がデザインを加えたもので、 普遍…

白いハエを見て、マガモの代わりに焦る

今朝、窓の外を見ると、ぼたん雪が風にあおられ、 ふわふわと舞っていた。 いよいよ初雪だ、なんか素敵だなあ、と心ひかれていると、 背後から 「こういう雪は、こっちでは『白いハエ』って呼ぶんだ」 とスラバの声。 「えっ、ハエ??」 ちょっとひるむが、…

イルクーツクの奇景、時間編

こちらでは、いよいよ葉が染まりはじめました。 自然の絵筆が描くグラデーションは、美しいけどとても儚い。 今年はどういうわけか、ものすごい駆け足で時が過ぎていく。 「時間の歯車」が三倍速で走っているみたい。 うかうかとしていたら、あっという間に…

バイカル湖岸鉄道をめぐって――「シベリア・イルクーツク生活日記」を更新 

集広舎のサイトに連載中の「シベリア・イルクーツク生活日記」に、 先回訪れたバイカル湖岸鉄道について書きました。 私自身は鉄道マニアではなく、もしどこかに行くとき、 そこに鉄道で行けるのであれば嬉しいな、という程度のファンなのですが、 この鉄道…

イルクーツクの奇景シリーズ その2

地球上のどこにいても、子供用の遊具を眺める時間は、 私にとってひそかな憩いのひととき。 でも、夏の余香が残るアンガラ川沿いで先日見つけたこちらは、 遊具というより、ちょっとした建造物。 アンガラ川にそのまま浮かべられるんじゃないかとか、 空気が…

イルクーツクの奇景シリーズ その1

これから年末にかけて、かなり忙しくなりそうなので、 しばらくは、寄稿や出版、出演などのお知らせを除き、 ぱらぱらっとシリーズの形で更新させてもらいます。 まずは、散歩中に見つけたイルクーツクの奇景シリーズ その1 屋上庭園つきシマシマ廃屋 じつ…

NHKラジオ「海外マイあさだより」でロシアの風習について

2日ほどインターネットがつながりにくい場所にいましたので、事前にお知らせできず、恐縮です。 今朝のNHKラジオの「マイあさ!」という番組の「海外マイあさだより」というコーナーで、 ロシアの習慣についてお話ししました。 以下の聞き逃しサービスで、5…

集広舎のウェブサイトに「近くて遠い外国」

集広舎のサイトの連載、「シベリア・イルクーツク生活日記」が更新されました。1980年代のソ連と外国というテーマはまだまだ掘り下げられると思うので、いつか続編を書くかもしれません。shukousha.com

あぶらであっぷあぷ

最近、あぶらとのつき合い方についてよく考える。 一般的には、あぶらってあんまり体によくない、と思われているけれど、 悪者扱いばかりしていたら、ロシアに住むのはちょっとたいへんだ。 いや、料理に炒め物が多い中国でだって、 あぶらとつき合うのはた…

お誕生日は人生のお祭り

フェイスブックとかぶって恐縮ですが、 先日、スラバの誕生日パーティー&コンサートがあったので、 その様子をビデオに編集してみました。 鮮度の関係で、時間があまりかけられなかったので、 至らない点が多かったり、素人臭かったりして恐縮ですが、 途中…

聞き逃しサービスで配信中

先日、NHKラジオ深夜便でお話した内容が、以下のサービス で聴けるようです。 ご興味があれば、「7月18日午前12:10放送」の個所をクリックしていただければ、幸いです。配信は27日の午前11:00までだそうです。 私の担当部分は、12時25分過ぎぐらいから始…

予告:ラジオ深夜便にて、イルクーツクよりリポート

今晩、深夜12時25分頃から、NHKラジオ深夜便の「アジアリポート」というコーナーで、最近のイルクーツクの食事情についてお話します。よろしければ、ひまつぶしに聞いてやってください。

冗談のような本当のことたち

最近、冗談のようなことが立て続けに起きている。 時事ネタでもあるので、取り急ぎ古くならないうちに、ということで、 箇条書きでごめんなさい。 その1 日本でも、医療関係者の待遇悪化が問題になっているけれど、 それはイルクーツクでも同じらしく、 私…

イルクーツク生活日記にて、農村訪問記

我が家周辺ではここずっと、 道路や配管の整備のため、かなりの騒音つきで、絶賛工事中。 そしてそのあおりで、 温水の供給も11日間にわたって絶賛停止中。 学生時代や北京時代は、 風呂なし、温水器なしの部屋に住んでいた期間も長かったのに、 加齢ととも…

リンゴスターの誕生日とイワン・クパーラ

リンゴスターの80歳の誕生日だった7月7日は、 火と水が友達になる伝統的な祭日、 イワン・クパーラでもあった。 イワン・クパーラとは、 スラブ正教が広まる以前の信仰に基づくお祭りで、 人々はこの日、花輪を編んだり、 川で沐浴をしたりする。 花輪は最後…

ふくろうはいつ鳴くのか

数日、用事があって北方の農村に行っていました。 その前後、だいぶバタバタしていたため、 先々週土曜日放送分のNHKラジオ『マイあさ!』での出演について、 「聞き逃しサービス」も含め、お知らせする余裕がありませんでした。 ごめんなさい。 放送では…

個人、集団、そして個人 その2

結局、現地校のいろいろな授業に出ることで身についたのは、 たとえ先生や同級生の言っていることがあまり分からなくても、 ただじっと聞いていられる「忍耐力」だけだった。 だって、たとえ言っていることの10%、20%しか分からなくても、 聞くのを諦めた…

個人、集団、そして個人 その1

人種差別に抗議する声が、今世界中で高まっている。 日本ではあまりピンとこない人も多いかもしれない。 問題の根底にある、白人優越主義と黒人という構図は、 日本ではほとんど目立っていないから、当然だ。 自分が肌の色で差別されたことがなければ、 差別…