イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

お誕生日は人生のお祭り

フェイスブックとかぶって恐縮ですが、

先日、スラバの誕生日パーティー&コンサートがあったので、

その様子をビデオに編集してみました。

鮮度の関係で、時間があまりかけられなかったので、

至らない点が多かったり、素人臭かったりして恐縮ですが、

途中に当日の写真もはさんであります。

ガイド役は、どこからともなく現れた、かわいい犬です。

youtu.be

ライブ形式になることは、前日くらいに決まったので、

ミュージシャンの方々は、みな事前に集まっての練習や

リハーサルなどはしておらず、持ち歌以外は本番勝負です。

 

みんな早々に酔っぱらってしまったうえ、

のどの調子が悪そうな方もいましたが、

それでも熱心にライブを繰り広げてくれ、

しみじみ、一瞬のうちに仲間の音をつかみ、

それに合わせながら即興で演奏できるのって、

素敵だなと思いました。

 

みんな、コロナウイルスのことなど、どこ吹く風、

というのが心配ではあるけれど、

会場になったのはわりと広い空間でしたし、

感染によって生死の境をさまよい、遺書まで残した後で回復したという、

重鎮ミュージシャンも、さすがに演奏は無理でしたが、

顔を出してくれたりして、ホッとしました。

 

ロシアの文化では、大人になってからも誕生日はとても重視するようで、

親戚や友人を家に招いて、大々的にパーティを開いたり、

反対に「今日は俺の誕生日だから一緒に祝おう」と、

友だちの家にお酒や食べ物を持ち込んだりして、

けっこう派手に祝います。

 

最終的な参加人数は事前に特定できないことが多く、

来ると言っていたのに、来なかったり、

来られないと言っていたのに、ふらりと現れたり、

思いがけず、家族や友人を連れてきたり、ということもしばしば。

 

今回、スラバの誕生日に集まったのも、数えるのに成功しただけで22人。

もちろん、とても嬉しく、ありがたいし、

すでに私もこういう状況には慣れてきてはいるのですが、

事前の予測は10人くらいかな?という感じだったので、

裏方としては、けっこうハラハラドキドキ。

 

ロシア発のチェブラーシカというアニメのテーマソングでは、

誕生日のプレゼントにエスキモーアイスをもらうことなどを

夢見ているワニのゲーナが、

「残念ながら(ク・サジャレーニユ)、誕生日は、一年に一度だけ」

と歌ったりしますが、私はそれを内緒で替え歌にして、

「幸いにも(スラバ・ボーグー)、誕生日は、一年に一度だけ」

とこっそり歌っていたのでした。