まず、Roadsiders' weeklyに連載中の「ユーラシア後ろ歩き」が更新されました。
今回も、聖俗まじりあった、混沌の旅です。
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私生活の方では、一時帰国を終え、年明けにふたたびイルクーツクへ。
恐る恐る予測していた通り、その温かさに驚く。
雪も浅めだし、気温もマイナス10℃以内。
頭がキーンとするような寒さを期待していたので、拍子抜けするが、
ちょっとした散歩には好条件。
それにしても、シベリアが暖冬なんて、地球的にはかなり怖い。
北極海が世界の主要な航路になる日も、確かに近いかもしれない。
そんな不安のなか、急務だった、
ロシアでの滞在資格の取得に成功。
ほっとしたのもつかの間、窓口の人から、
さらに「居住地の登録」とやらをせねばならぬと告げられる。
「登録を一週間以内にやらなければ、罰金と強制送還!」
とひどく脅されたので、心は焦るが、
どこで何をすればいいか、いまいち分からない。
デタラメに探した結果、
2度ほど無駄足を踏み、げんなりする。
暖冬とはいえ、道路などは凍っているから、移動は楽ではない。
でも昨日、窓口の要求通り、家族を呼び、書類も集めて、何とか登録終了。
あとは1週間後に預けてあるパスポートを取りに行くだけ(だと願う……)
面白かったのは、居住登録をする場所が、ごく普通の市場の中にあったこと。
「市場の中だよ」という説明に、半信半疑のまま、
ごく庶民的な市場の中を先に進むと、果たして市場と同じ建物の奥にあった。
ついさっきまでは、生肉とかパンとか乳製品とかを売るブースが並んでいたのに、
この広い部屋に一歩入ると、窓口とコンピューターがずらり。
そのギャップは、結構、印象的だった。
生活に必要不可欠という点では、どちらも同じなのだけれど。
日本で、公的文書を扱う役所が生鮮市場の中にあるなんて、
あまり考えられないことかもしれないが、
ロシアでは場所を巡る思考が柔軟なのか、はたまた
生鮮食品を扱う場所なら人が立ち寄りやすいだろうと考えるためか、
そう不自然とは見なされていないようだ。
以前訪れた、同じ機能をもつ役所も、
ショッピングセンターの中の、大型スーパーの隣に位置していた。
、
用事を終えた帰り、
そういえば、中国でもラーメン屋のあった建物が病院になったりとかして、
「場所柄」の垣根が低かったなあ、と思い出しながら市場を歩いていると、
魚介類売り場で人魚とご対面。
ん?
古い知り合いに会ったような気がするのはなぜだろう?
すぐに思い出したのが、北京で見かけたオブジェ。
確か渤海の海産物のフェアの宣伝用だった。
人魚は海鮮じゃないはずなんだけれど、
それにロシアの人がこれを見て思い浮かべるのは、
死んだ女性の化身とされるルサールカで、一応妖精とはいえ
つまりは幽霊のような存在なのだけれど、
そんなのはどうでもいいことなのだろう。
水と関係があって、可愛かったら、すべて良し!
日本だって河童と海鮮は仲がいいもんね。