イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

2021-01-01から1年間の記事一覧

雑誌『小説導熱体』に投稿

細々とですが、胡同関係の執筆、まだ続けています。 10月末に刊行された『小説導熱体』第4号に、短編一篇の翻訳と、 エッセイ「【中国の街角】東四四条・翻訳を通じた文人たちの対話」が掲載されました。 http://www.hakuteisha.co.jp/book/b595719.html

QRコードおじさん

先回、ラジオでお話ししたように、 現在、イルクーツクを含むロシアの都市では、 ワクチン接種済みを示すQRコードなどがないと、 大型の公共施設や商業施設、 および食品や医薬品以外を売る店に入れない、 というシステムの導入が進んでいる。 となると、こ…

聞き逃しサービスのお知らせ

11月5日の晩にお話しした内容ですが、以下の「聞き逃しサービス」で聴けるようです。 「ラジオ深夜便」は、以下のページの2つ目の録音の冒頭から2分後くらいから、 https://www.nhk.or.jp/shinyabin/k5.html 6日早朝に放送された「マイあさ」は、以下のペー…

ラジオ出演のお知らせ

今晩、深夜0時10分から、NHK「関西発ラジオ深夜便」の「アジアリポート」というコーナーでシベリアのお茶についてお話しします。 また、明くる早朝5時44分からも「マイあさ!」という番組の「海外マイあさだより」というコーナーで最近のイルクーツクと民間…

包帯も適材適所

事情があって、包帯をよく使う。 よく使うので、よく買う。 じつは最初にロシアを訪れたときに驚いたのが、 薬局で売られている包帯の質だった。 たいていの品物の質の悪さには動じない私もつい、 これを「包帯」と呼ぶなんて恥ずかしくないのか? と思って…

コラム更新のお知らせと大陸を横断しなかった麺のお話

集広舎のホームページに連載中のコラムが更新されました。 ロシアの広さを知る《シベリア鉄道の旅》その2|集広舎 細かすぎて盛り込めなかった話題もいくつかあり、 その一つがハバロフスクのラーメン文化の成熟ぶり。 日本とほとんど変わらない味のラーメ…

ゆうれい広告

我が家の近所には、 ちょっと中途半端な空間がある。 そこは、 曲がり角の見晴らしを良くするためにしては ちょっと広すぎるけれど、 休憩用の場所でもなさそうだし、 そもそもベンチも花壇もない。 集合住宅の壁に優雅な影を落とす、 一本の木が生えている…

夏の傷を癒す秋

正確な言い回しは思い出せないのだが、 「自然に『異常』ということはないんだよ」とこちらの人が言っていて、 頷かされたことがあった。 確かに、人にとっては異常な災害をもたらす嵐や洪水も、 大自然にとっては、「自然」なことだ。 だがそれでも、今年の…

夢の中の額縁

この間見た夢。 夢の世界で額縁を作っていたのだが、それが複雑な額縁で、なかなか完成できない。 それで、「悪いけど作り終えるまでは目を覚ませないの」って、 すでに起きている画家の夫に必死で弁明。 目を覚ました時、何か、意識の奥底から引きずり出さ…

奏でたいのは異国の調べ

先日、NHKラジオ『マイあさ!』でお話しした内容、 以下の聞き逃しサービスで聴けるようです。 5時42分頃から始まるかと思います。 (配信は9月11日の午前4:55まで) https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=5642_06_3724497 最後に、リスナー…

NHKラジオ『マイあさ!』に出演 テーマはシベリアっ子の趣味

またうっかりしていてすみません。本日4日の朝、5時42分頃から、NHKラジオ『マイあさ!』の「マイあさだより」というコーナーで、シベリアっ子の趣味などについてお話しします。 最後、ちょっぴり勇気を出してみましたが、 じつはこれには、オチがあります。

『シベリア・イルクーツク生活日記』

久しぶりとなってしまいましたが、集広舎のサイトに連載中の、 『シベリア・イルクーツク生活日記』が更新されました。 ロシアの広さを知る《シベリア鉄道の旅》その1|集広舎 ぼやけているので、連載には使えなかったのですが、ウラン・ウデの像とはこれで…

「場」と「機会」のアート~スラバ・カロッテの個展『トランスアジア☆イルクーツク☆浜松☆エクスプレス』を振り返って

あまりに駆け足すぎたので、 今では夢だったように感じてしまうのだが、 この夏の帰国で貴重だったのは、地元浜松で、 夫のスラバ・カロッテの個展を開けたことだった。 slavacarotte.com 最初からいつ、どこでと具体的に決めていた訳ではない。 だが、いっ…

ラジオ深夜便・アジアレポート

今晩、21日(土) 午前0時10分頃から、NHKラジオ「関西発ラジオ深夜便」のアジアレポートというコーナーで、シベリアの森林火災などについてお話しします。興味とお時間のある方はぜひどうぞ。

キンカンの強烈な香りの中で

書き出すときりがなくなりそうで怖いのだが、 この夏はじつに忙しかった。 まずは、「ロシア人にはビザの発給を停止」という情況の中での、 夫を伴っての、強行突破ともいえる帰国。 もちろん、公的な医療保険に入れない身分でロシアに住みつつも、 2年間を…

在廊時間について(訂正)

すみません、訂正です。会期中、作品が公開されている時間帯(9:00~21:30)は、作家とともに在廊することになりました(最終日8月4日は21:00まで)。

トランスアジア・イルクーツク・浜松・エクスプレス

諸々の事情により、長らくご無沙汰していて申し訳ありません。 じつは先日より、話すだけでも気が遠くなりそうな、 かなりたいへんな準備とプロセスを経て、 夫と二人で、2年ぶりの一時帰国をしています。 苦労して帰国した身としては、 つい、このタイトル…

お知らせ

今晩、零時台に、ラジオ深夜便でハバロフスクからお話しします。

NHKラジオのマイあさラジオでお話しました

あさっては正教会のイースターにあたる、パスハ。 そこで、ここ数日は恒例の大掃除をしたり、 卵を染めたり、お菓子を用意したり、で大忙し。 ほかにもここずっと個人的な用事がいろいろあって、 その多くが、役所などでの手続きにまつわる、こまごまとした…

『シベリア・イルクーツク生活日記』を更新

集広舎のサイトに連載中の『シベリア・イルクーツク生活日記』が更新されました。 第10回 新型コロナ対策をめぐって 『スプートニクV』の接種時の様子も記しています。 高校時代に地学部天文班の部員として毎日空を見上げ、 ソ連のSF映画のファンでもあった…

『まいにち中国語』のテキストに新連載

4月の頭は新学期が始まる季節、という感覚は、 海外に長く住んでいるとどうしても、 記憶の彼方に遠のいていってしまうのですが、 春になると、気を引き締めて、やりたかったことをちゃんとやろう、 という気持ちになれるのは、 やはり春に新学年を迎えてい…

国際女性デーを機に女性のアートを回顧

『ARTSCAPE』の「FOCUS」欄に投稿した拙文が掲載されました。 artscape.jp まだまだ気の抜けない毎日ですが、 春の到来と合わせるように、展覧会が活発になってきたことは、やはり嬉しいです。 生の作品を観られる喜びがありありと感じられるようになったの…

バイカル湖の上に立つ

少し前の事になってしまったが、 3月上旬に、かねてからの願いが叶い、 冬のバイカル湖の上に立つことができた。 世界最深の湖の上を自分の足で歩くなんて、 チベットでチョモランマの頂を見上げた時くらいの感動だ。 もちろんチベットで、ヒマラヤ登山用の…

まだまだ気になる災害と街の関係―‐集広舎のサイトのコラムを更新

集広舎のサイトに連載中のコラム『シベリア・イルクーツク生活日記』を更新しました。 火事の記憶が決めた街並み 大震災後の東北地方を訪ねた経験も思い起こされ、 大災害と街の関係について、ふたたび考えを巡らす機会となりました。

イルクーツクの雪景色

うかうかしていたら、明日から3月。 さらに一週間ちょっと後の3月8日からは、 冬とお別れするお祭り、「マッスレニッツァ」の週が始まる。 厳しい冬とはいえ、お別れはちょっと寂しいので、 最近の雪景色を連ねてみたい。 まずは、どこか音符のようにも見え…

氷と雪で楽しむシベリアの冬

事前にお知らせしようと思いつつ、うっかりしてしまい、すみません。 今日27日朝のNHKラジオ『マイあさ!』の「海外マイあさだより」と言うコーナーで、少しおしゃべりしました。 こちらの聞き逃しサービスで聴くことができます。 https://www.nhk.or.jp/rad…

ラジオ深夜便「アジアリポート」でお話します

今晩深夜12時10分頃から、関西発ラジオ深夜便の「アジアリポート」というコーナーで、でイルクーツク地区の冬の寒さと防寒対策などについてお話します。 同じ内容は聞き逃しサービスでも聞くことができますので、また追ってリンクなどお知らせします。

『シベリア・イルクーツク生活日記 第八回』&村の雪景色

あれこれ事情があり、投稿が遅れがちとなっていましたが、 集広舎のサイトに連載中の 『シベリア・イルクーツク生活日記』、第八回 が掲載されました。 以下はおまけで、先日訪れた村の冬景色です。 雪のマジック。ただの柵も雪化粧で独特の趣に。 ロシアの…

夢見る人のための椅子

ロシアの新年の初夢 東京か北京かモスクワか、 よくわからない街で地下鉄に乗ろうとして、 専用のICカードを出すが、なぜか 昔の紙の切符のように切れ込みが入っており、 これじゃあ使えないや、と売り場で買い直そうとするも、 なかなかうまく買い直せず、…

古いけど新しく、吉だけど凶な寝正月

明日14日は、ロシアの旧暦での新年。 こちらでは、「古い新しい年」と呼ぶ。 ややこしいが、一応は毎年1月14日で固定されているので、 中国の春節よりは覚えやすい。 というわけで、前夜である今は、 いったい古い年なのか新しい年なのかあいまいなのだが、 …