イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

「ユーラシア後ろ歩き」更新のお知らせと、ウランバートルの印象

まずお知らせです。都築響一さんの会員制メルマガ(有料)、ROADSIDERS'weeklyの最新号(2024年03月07日 Vol.587)に、 現在連載中の

roadsiders.com

が掲載されました。 今回は、旅人の目から見たウランバートルの音楽やアートなども出てきます。

連載のサムネイルになっているグラフィティからも分かるように、ウランバートルはちょっと不思議な日本びいきを感じる街でした。

街を歩いていると、雰囲気では中国やロシア、商売面では韓国の方が近そうに見えるのですが、

ふと目をやると、日本の古着だけを扱っているお店があったり、その一角に日本語教室のパンフレットが並んでいたり。

日本のコスメや生活用品や100円ショップのお店(ウランバートルでは価格は個別に設定)なども見かけました。

新しい空港や鉄道の建設に日本は多大な援助をしているようで、現地の人からもその話題が出ましたが、そのことはそこまで広くは知られてはいないとのことです。

とくに注目されていたのは2021年にできたチンギスハーン国際空港で、

開港から数か月後に訪れた時は、

まだぴかぴかの空港が夕焼けをバックに翼のような形の屋根を広げていて、

周りが広大な草原だけに、ああ、モンゴルに舞い降りたんだと、

とても爽快な感動を覚えました。

唯一残念だったのは、都心から離れているわりに、公共の交通手段が限られていたこと。大きなホテルと空港を結ぶバスや、乗り慣れない人には使いづらい市バスはあるのですが。

市内の主要な地点との間を結ぶシャトルバスや電車のようなものがあれば、外国人も楽に安く移動できるのに、と惜しい気がしました。

とはいえ、私は幸運にも、タクシーでの移動をめぐって、いろいろとユニークな体験をしました。

街によってタクシーに運転手さんの気質に特色があったりしますが、

ウランバートルの場合は話しすぎず、静かすぎずで、バランスが良かったです。モンゴル語が解れば事情は違うのかも知れませんが。

あちらではライドシェアが一般的なので、たまたま乗ったのが子どもの送り迎えの車だったときは、助手席には運転手さんの娘さんらしき小学生が乗っていたりしました。

そういえば、中国の田舎でタクシーに乗った時も、

目的地に行く途中で親戚を病院に送ったり、

食材を何処かに届けたり、とやたらと寄り道をするので、

面白い反面、何時着くか不安になったことがあります。

運転手さん本位のタクシー業、

現地の生活が垣間見られるという意味では、面白いです。

急いでいる場合は、時に交渉力が必要になりますが。。。