イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

ウランバートルの印象

まず、お知らせです。

明日22日の日本時間午前5時42分頃から、

NHKラジオの番組、『マイあさ!』の

「海外だより」というコーナーで、

先日ウランバートルで目にした風景についてお話しします。

マイあさ! - NHK

 

ウランバートルで一番印象に残ったのは、

結局、新しめできれいな日本車がたくさん走っている、

という風景でした。

 

これはあてずっぽうですが、

ウランバートルで、バスなどの公共交通より、

個人で自由に動ける自家用車の愛用者が多いのは、

公共交通の充実度の問題以前に、

やはり騎馬民族にルーツがある人々は

馬のような自分で操る乗り物で自由に移動することに

慣れ親しんでいるからではないか、

と思ったりしたのでした。

それは、最初にウランバートルに行った時、道路脇の草原を、

爽やかに馬で駆けていく人たちに出会った時の印象からです。

 

ただ、私たちの友人は、あまりの交通渋滞のひどさから、

できる限り建物から出ない生活を送っているのだとか。

自由な移動を求める人が多すぎてみんなが不自由になる、

というパラドックスは、現代都市ではありがちとはいえ、

ウランバートルは周囲に広大な大草原が広がっている都市だけに、

何だかひどくちぐはぐでシュールに感じました。

 

ちなみに、ウランバートルの街が買い物客で賑わっている理由の一つは、

ロシアから人々がバスや車で買い出しに来ているから、

という未確認説を聞いたのですが、それ以上に、コロナ対策で、

人々が長らく息苦しい生活をせざる得なかったことの、

反動なのでは、と思います。

 

そんなウランバートルの活気とコントラストを、

今回の放送でも、感じていただければ幸いです。