イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

ラジオ深夜便の聞き逃しサービスと、ユーモアで乗り切るコロナ・ストレス

先日予告させていただいた、ラジオ深夜便での放送内容、以下の聞き逃しサービスで4月11日の午前4時まで聴けるようです。(4日の午前0時10分台の放送)

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=0324_05_328812

 

日本の一部が「緊急事態」と宣告されたとのことですが、

こちらでも、不要不急の外出は控えるよう勧告されていて、

街宣車?や携帯電話のSMSでもそういったメッセージが流れています。

 

でも、日本が桜の時期なのと同じで、こちらも春の風が心を浮き立たせる時期。

まだ雪融け水によるぬかるみがあちこちにあるので、

郊外に行くのは大変だけれど、

気分的には、冬眠を終えたクマのように、一年で一番、

何も用事がなくても外に出たくなる時期かも。

外の陽光の明るさ、暖かさを嬉しく感じながら、

ひっそりと家にこもり続けねばならないのはちとつらい。、

そんなとき、ストレスを和らげるのは、やはりユーモア。

 

 というわけで、隣の人と観て笑い合える動画が、

こちらでも心のアオシスとなっています。

なかでも印象に残ったのが、

長いあごひげのおじさんが、手際よくひげで顔を覆い、

一瞬にして毛だらけの「覆面マスク」を作ってしまう動画や、

タクシーに乗ったお客さんが、

運転手にマスクを通貨代わりにして勘定を払い、

運転手も平然とおつりをトイレットペーパーで渡す、というコント。

 

いつもお堅いロシアの国営テレビでさえ、

アナウンサーが着ているTシャツにプリントされた放送局のロゴが、

「家の中にいましょう」という言葉にさらりと置き換えられていたりしている。

 

「冗談じゃない」と言いたくなるニュースが増えはじめると、

バランスを取るように「冗談」を増殖させずにはいられないのは、

きっと、人間の本能なのでしょう。