集広舎のホームページで連載中の『シベリア・イルクーツク生活日記』
に新しい記事を寄稿しました。
結局その後、戦勝記念パレードは6月24日に延期されたようです。
まだまだ毎日、新たな新型コロナ感染者が出ているなか、
たった一か月先に実施するとは。
正直、大丈夫なのかなあ、と思わずにはいられません。
個人的には私の義理の祖父母も、大戦中に戦場で負傷した兵士の治療に当たった医師と看護婦だった、ということなので、
敬意を示したい気持ちは十分にあります。
でも先日、ある町で戦勝記念の彫刻を新たに建てようとしたら、
彫刻家が誤ってナチス関係の写真に基づいてヘルメットなどをデザインしてしまった、という冗談のようなニュースも耳に入ってきたりして、
やっぱり戦争の記憶は遠ざかっているのだなあ、と感じます。
何といっても75年も経っており、記念物を作るのも戦争を知らない世代。
でも、その事実自体はむしろ、良いことでしょう。
75年間にわたって、三回目の世界大戦が起きなかったということですから。
問題は、どう記憶を受け継ぐか。
今の私にできるのは取捨選択ぐらいですが、こちらの人と話してみると、
戦争をめぐる認識や価値観のギャップにいろいろと気づいたりします。
何に価値があるか選ぶのも、けっして楽ではなさそうです。