イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

ファン・アートの底力

私の周りがたまたまそうなのかもしれないが、こちらに来てから「ファンのパワー」に圧倒される機会が多い。

以下は、ロシアの人気音楽グループ、「ボスクリセーニエ」の結成40周年記念に合わせて、イルクーツクのファンらが「私は夢を見た(仮訳:)」という曲をカバーする様子と、ボスクリセーニエの主要メンバーの肖像画の制作過程をビデオにしたものだ。

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肖像画を描いているのはスラバ・カロッテ、カバーはセルゲイ・ポポフのボーカルに合わせてロックバンド、セールイ・ドゥイムのメンバーが演奏している。

ビデオをまとめたのは、スラバの息子のエリック・シズィッフだ。

私も過程を少し撮影したり、絵画の制作過程でちょっぴり手伝ったりしたので、

完成したときはとても嬉しかった。

そもそも、ファン・アートのもつ可能性はけっして侮れないものだが、音楽と絵画、映像芸術の垣根を越えて、ファンのパワーが形になるというのも、けっこう面白い。

音楽がアートの力で新たな印象を得ることも多々ある。さらにどんな変化形があるかも含めて、この先をもっと見てみたい。