イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

心躍る即興の夜 『シベリアのビートルズ』出版記念イベント

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石神井の素敵な空間、「you are charming」で11日に行われた

出版記念トーク&ライブペインティング。

それは、夏秋文彦さんの多彩で遊び心にあふれた即興演奏にのせ、

自由人画家、スラバ・カロッテが即興で絵を描くという試みでした。

 

二人の想像力の響きあいによって生まれる、

予測不能ながら無限の可能性。

さまざまなイメージが交錯し、

絵が絵として完成する、忘れがたい瞬間。

即興×即興のマジック。

生まれた絵は

「人がいなくなった地球」

人間の貪欲な営みに疲れてしまった地球が休憩しているイメージで、

夏秋さんが演奏の最後にたまたま心に描いたイメージと近いそうです。

余韻と残影もじつに味わい深く、胸にしみました。

 

これほどの奥行がある自由って、なかなか出会えません。

まるで自分の中のさまざまなしこりやこだわりまで解き放たれるかのよう。

 

映像には出てきませんが、口琴やピアノや鍵盤ハーモニカ以外にも、

チューブやゴムなどを使ったさまざまな楽器が登場し、まるで音の実験場さながら。

音はすべて音楽になりうる、という当たり前のことに気づかされ、

音色のバラエティが、想像のパレットの色彩まで豊かにしているようでした。

 

その一方で、今回のイベントは、私個人にとって、

旧友との30年ぶりの懐かしい再会、

初めてなのに旧知のような方との出会い、などなど

「時空を飛び越えるような」ご縁にめぐまれたものとなりました。

 

ご来場いただいた皆さん、

大切な時間を共有してくださって、本当にどうもありがとうございました。

関心を持ってくださった方々、今度ぜひご一緒しましょう。