イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

イルクーツクの奇景シリーズ その2

地球上のどこにいても、子供用の遊具を眺める時間は、

私にとってひそかな憩いのひととき。

でも、夏の余香が残るアンガラ川沿いで先日見つけたこちらは、

遊具というより、ちょっとした建造物。

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アンガラ川にそのまま浮かべられるんじゃないかとか、

空気が急に抜けたらみんな転げ落ちちゃうんじゃないかとか、

門の奥のボートはいったいどこに浮かぶつもりなんだろう、とか、

妄想入りの疑問を抱けばきりがないが、

きっとポイントは、ふわふわなのに象が軽々と上に乗ってる反逆&倒錯感。

「100人乗っても大丈夫!」の何とか物置などとはまた別の、

ちょっと飛んだ次元にあって、

何だか愉快。