イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

春は川辺、春は猫

昼間は初夏のような気温になっても、なかなか春の花が見られず、

彩りに乏しかったイルクーツク。

でも最近はさすがに、いかにも春らしい表情になり、

f:id:lecok:20200504020345j:plain

アンガラ川の岸辺の「氷の上に行くのは危険」という看板も、

役目をすっかり終えてバカンス。

f:id:lecok:20200504020547j:plain

雨が降ると、花たちも次々とつぼみがほころび、

f:id:lecok:20200502153520j:plain

f:id:lecok:20200502195307j:plain

散歩やサイクリングが楽しい季節に。

f:id:lecok:20200502161127j:plain

とくに川辺は、自然の柔らかさが際立って感じられる。

 

日本のお彼岸のように、こちらにも春にお墓参りをする風習があり、

私たちも今日、ロシア風のクレープ、ブリヌイを準備して、

スラバのおばあさんや親戚のお墓に、ご挨拶に行ってきた。

お彼岸におはぎが不可欠であるように、ロシアの墓参はブリヌイが欠かせない。

 

じつは今年に入ってから、わけあって何度も墓参をしているが、

雪解け水が消え、木々の緑も若々しい今の時期は、確かに墓参りには最適。

体が芯から凍えた冬の野辺送りや、ぬかるみに足がとられた初春の墓参を思い出し、

いっそう春のありがたみを感じる。

 

我が家に関しては、

猫が二重窓の間でまったりとくつろぎ始めた時も、

春を感じるひととき。

f:id:lecok:20200424112117j:plain

そして最後に、先回のおまけ。

コロナ禍の今は、国の中だけでなく、

国と国の関係までぎくしゃくしていたりしますが、

我が家の猫は、外交も平和的です。

f:id:lecok:20200504013232j:plain