イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

コロナ禍の中のイルクーツク

今年から連載を始めさせていただいた、集広舎のサイトの

シベリア・イルクーツク生活日記という連載で、

新型コロナ対策が始まってからのイルクーツクの状況について書いてみました。

ちなみに、対策については、

タイガーバームを鼻の穴に塗るとか、

お酒でのどや胃を消毒するとか、

守護してくれる「お札」を作るとかいった、

さまざまな「民間療法」も、

私の周りでは試みられています。

 

もちろん冗談半分ですが、

酒の飲みすぎ以外は、害もないものばかり。

危機をそういうジョークや心やすめで乗り切る知恵は、

ウイルス予防というよりは、むしろ心の健康のために、

大事なのだろうと思う毎日です。

 

冬の寒さが厳しいシベリアでは、

家にこもることに慣れている人は多そうですが、

それでも自宅待機の長期化がもたらすストレスは社会問題になっているらしく、

家庭内の不和が高じて、マンションの高層階の窓から

家具などが大量に投げ捨てられた事件などが、ニュースで話題になっています。

 

街で知り合いに会った時の挨拶までが、

「まだ殺し合ってないの?」

といった、ブラックジョークだったりします。

 

でもさいわい、我が家は人も動物も平和です。

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