まず、お詫びです。
年末に祖母が亡くなり、急遽喪中となったため、新年のご挨拶ができず、申し訳ありませんでした。
98歳の大往生。大晦日がお葬式となったため、心の沈む年越しとなりましたが、
祖母は大正が昭和になるほぼ一カ月前に生まれた人なので、年の変わり目に亡くなったのも、祖母らしい気がしました。
祖母の思い出については、また別の機会に書いてみたいと思います。
そんなこんなで気分が落ち込んでいたこともあり、ご報告が遅れてしまって申し訳ありませんが、
先週の土曜日朝に、NHKラジオマイあさ!の「海外マイあさだより」というコーナーに出演しました。
こちらで聴き逃しサービスを聴くことができます。残り11分30秒くらいのところから、始まるようです(2月10日(土) 午前5:55配信終了)。
プレーヤー | NHKラジオ らじる★らじる
今回は、寒い話題となってしまいました。クレシェーニエについては、
以下の記事でも触れています。
ロシアのお清め「クレシェーニエ」 - イルクーツクの風の音
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思い返せば、この記事を書いた時はまだ、新型コロナの流行は深刻ではなく、戦争も始まっていなかった。
あの時ののどかな雰囲気が、今は懐かしい。
ラジオでは、効果に懐疑的な意見も盛り込んではみたけれど、
健康への影響や安全性に十分気を付けることができれば、
やはりクレシェーニエは興味深く、継承する意義もある行事かもしれない。
何せ、冬に冷たい水の中に入るのだから、気分はどうしてもしゃきっとする。
初心に戻って、今年も頑張ろうと思わせる効果もありそうだ。
うちのスラバなどは、ここ数年、ずっとクレシェーニエの行事をしていなかったので、
今年こそは!と意気込んでいた。
だが、向かったのは、アンガラ川でもバイカル湖でもなく、
浜名湖!
まあ、しかたない、今は日本にいるのだから。
じつはここ数年、クレシェーニエの時期になるたび、
スラバは口では「水浴びに行くぞ」と言っても、
実際には行かないことが続いていた。
そのため、申し訳ないが、私はかなり疑っていた。
人の目は気にしないのは知っていたが、シベリアっ子は意外と寒がりだ。
「シベリアっ子は、寒さに強いのではなく、寒さに備えるのが上手なのだ」
というのがスラバの口癖。
だが、今年は本気だったらしく、浜名湖畔に着くと、
スラバは何のためらいもなく服を脱いで、
水のなかに入って行った。
驚いたのは、近くにいた地元の人である。ある写真愛好家のおじさんなどは、
「びっくりしたー、俺、地元出身で、子どもの頃からここによく来てるけれど、冬に泳いでいる人見たのは初めて!」
と興奮しながら、スラバをパチパチ写真に収めていた。
寒中水泳の風習などない土地だし、そりゃ当たり前だ、と思いつつも、
私はちょっぴり不安にもなった。
スラバ、画家としてでなく、こういう人として、
地元で有名人になってしまうのでは……
軽いあきらめを感じつつも、思い直す。
一応、温泉もある観光地とはいえ、
風の強い冬にわざわざ水辺を歩く人は少ない。
目撃者なんて多くて3、4人。
それに、後で写真をみて、うなった。
広大な水と空の中に、逆光でスラバの頭と上半身が入ることで、
ちょっとした神々しさまで感じるほど、
荘厳な風景になっていたのだ。
これほど広々とした「聖なる水」を独り占めするなんて、
なかなか爽快。
賑わいには欠けるけれど、こういうのも悪くない。
宗教的風習って、場合によっては、その宗教が主流でない場所の方が、
個人の内心のものとして、純粋さを保ちやすいのかもしれない。
友人が行くからとか、みんながやっているから、といった同調圧力は皆無だし、
何より静かに好きな時間だけできる。
水着も勇気も無いので真似できなかった私も、
生まれ変わった気分だけはおすそ分けしてもらい、
今年からはもう少しちゃんとブログを更新しよう、と心に決めた。