イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

NHKラジオ深夜便に出演&本が十箱届いた師走

直前で恐縮ですが、今晩0時台のNHKラジオの番組「ラジオ深夜便」でイルクーツクのエンターテイメント事情についてお話しします。

 

今は帰国中なのですが、日本での拠点に先日、

北京で預かってもらっていた本が段ボール10箱分ほど届きました。

そうなると、保管スペースのこともあって、

十数年、延ばし延ばしにしてきた遺品整理にも重い腰を上げざるを得ず、

その上、翻訳関係のさまざまな仕事も重なって、

なかなかカオスで多忙な師走を過ごすことに。

 

そんなこんなで、あと数日は眼前にある用事の処理に追われそうです。

ここで書きたいことも、原稿にまとめたこともたくさんあるのですが、

そして、それらは必ず書かれなければならないのですが、

それはちょっとの間、後回し。

 

自分の不器用さに呆れますが、

本当に大事なものだけを残し、本の山を整理することで、

「自分の書斎」のようなものを作っていくのも、

物書きには大切な時間なのかもしれません。

たとえその書斎が、こちらでの拠点に過ぎず、

イルクーツクにも自分の拠点を持ち続けるとしても。

 

本棚をどうするかも、頭の痛い問題でした。

学生時代なら、研究室の廃棄したものなどをタダでもらい、

しかもそれを指導教官にお願いして車で下宿まで運んでもらったりしてました。

今思えば、何とも厚かましい学生だったわけですが、

増え続ける本を前に、他に手段がなかったのです。

さすがに今は、そんな僥倖や身に余る親切に頼ることはできず、

中古にせよ、新品にせよ、買わなければいけません。

仕方なく、2日ほど各種サイトとにらめっこして、2つ購入。

 

入れ物も大事ですが、さらに大事なのは中身。

これから私は能力的、時間的にどれだけの本を読めるのかも考えつつの、本棚整理。

年々衰えていく視力のことを考えると、

活字の小さい昔の本をどうするかは、じつに悩みどころ。

20歳前後の頃と比べて、やっぱり30年の差は大きいと思わざるを得ない、

ため息の師走です。