事情があって、包帯をよく使う。
よく使うので、よく買う。
じつは最初にロシアを訪れたときに驚いたのが、
薬局で売られている包帯の質だった。
たいていの品物の質の悪さには動じない私もつい、
これを「包帯」と呼ぶなんて恥ずかしくないのか?
と思ってしまうレベル。
何せ、使おうとして巻いてあるものをほどくと、
端がボロボロとほどけてきて、からまってしまう。
へんなところが縫い合わされていて、最後までほどけないこともある。
だが、安物には安物の長所がある。
それはあまりにボロボロなので、再利用が無理だということ。
使い捨てるのは心痛むが、手軽だし、衛生的でもある。
日本の伸縮包帯だと、こうはいかない。
質が良い分、もったいなさすぎて、使い捨てにできない。
衛生面を考えれば、使い回しはあまりよくないのだが。
どんなものにも、それなりの価値がある。
大事なのは、適材に適所を与えること。
小さなロシアの包帯を見るたびに、
私はつい、そんな大げさなことを思ってしまう。