イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

古いけど新しく、吉だけど凶な寝正月

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明日14日は、ロシアの旧暦での新年。

こちらでは、「古い新しい年」と呼ぶ。

ややこしいが、一応は毎年1月14日で固定されているので、

中国の春節よりは覚えやすい。

 

というわけで、前夜である今は、

いったい古い年なのか新しい年なのかあいまいなのだが、

いずれにせよ私は半分寝正月。

しっかり休めるご身分、というのならいいのだけれど、

じつはそうでなくて、仕事疲れと

風邪薬の副作用で眠くなって寝てしまう寝正月。

 

ちなみにイルクーツクでは最近、弱く長い揺れが続いた地震があり、

その直後に布団に入った私はその晩、初夢を見た。

この上なく分かりやすいことに、建物の中で大地震に遭う夢だった。

揺れ始めた直後に建物から逃げ出し、自分は助かるものの、

建物は全壊してしまったため、

泣き叫びながら中にいた知り合いを探し、見つけ出す、という展開。

 

初夢でこれとは、げんなり。

夢占いを見ると、こういう夢には吉凶入り混じった意味があるらしい。

吉になる可能性が残されているのはいいが、

吉と凶という正反対のものが同居しているのは、どうも落ち着かない。

それはまさに人生そのものでもあるのだけれど。

 

それはそうとして、ロシアの初夢は明日以降に見る夢のはず。

ネジを巻き直して、いい夢見なくては。