イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

イルクーツクの奇景 ちょっと不思議編

ときどき、自分の不器用さに自分であきれる。

昔からいろいろな種類のことを、同時にそつなくこなすことが苦手で、

それに期限厳守とかが加わると、軽いパニックになることさえあった。

 

若い頃、何を血迷ったか、月刊誌の編集の仕事をした時などは最たるもの。

特集や連載の企画、取材、原稿執筆、原稿の依頼、推敲・校正、目次や索引づくり、レイアウト、広告作成や営業の手伝いなどを、

一カ月ごとのサイクルで、残業てんこもりでやらねばならなかったので、

もうギリギリ限界!

ということがよくあった。

 

石の上にも三年というが、

2年以上やっても、やはり苦手という意識は変わらなかったので、

自分は物書きと翻訳に専念しようと決心して、今に至る。

 

もちろん、編集の仕事をやって無駄ではなかった、と思うこともよくある。

一番は、「締め切りは厳守しないとあれこれ迷惑がかかる!」

という点が身に染みて分かったこと。

100パーセント実践を伴っているとは言えないとしても……

あと、広告という存在の便利さも怖さも、ある程度分かった。

 

ところで、今また、仕事の混み具合が、

少し自分を落ち着かせねばならないほどになっている。

そこで気分転換、言い換えれば現実逃避のために、

イルクーツクの奇景シリーズを再開。

 

まずはこれ。

広告だとしても、どんな効果があるのかがそもそも謎だし、、

運転中に初めて見た場合など、気を取られすぎて危なそう。

 

そして、この車のすぐ先にあったのが、こちら。

意図してかどうかは分からないが、

なんか幾何学的。

青い部分の面積を計算せよ??

などと言われそうで、何気なくひるむ。

 

今日の最後は、これ。

こちらで日本の中古車を見かけることは多いのだが、

この組み合わせが目に入ったときは、

まるで時空の秩序が狂ったようで、

自分はどこにいたんだっけ?といった、

ふわっとした混乱に陥った。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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