イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

二人の魂を悼む

つい最近、マクシム・ウシャコフと、イーゴリ・ジャンという、

創造の活力にいつも満ちていた二人の友人の魂が、

文字通りたて続けに、あの世に去ってしまった。

マクシムのクレイアニメ作品は、ちょっとユーモラスで、不条理で、かなり不気味でもあるのに、不思議と目を離せなくなる魅力があった。私は大ファンで、ぜひいつか日本に紹介したいと思っていたほど。

イーゴリも、ただ一緒にいるだけで、物を作る楽しさが伝わってくるような人柄だった。自分で自分のために進めていた工房の改装がとても素敵な感じに進んでいて、完成が心から楽しみだったので、本当に残念。本人はなおさら無念だろう。

尊敬する二人への哀悼の気持ちを捧げるべく、教会へ。

 

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純白の雪の中に凛と立つ教会の美しさには何とも心癒されるが、

やはり心の中では、二人に最後に会った時のことをしきりに思い出し、

ああもできた、こうもできた、ととめどなく後悔する。

何といっても最大の後悔は、体をもっと労わるよう、伝えなかったこと。

人生はじつに一期一会。

「次でも大丈夫」とばかり思わず、

これからは一瞬、一瞬をもっと大事にしなければ。