先回に続き、二日目の今日は、
ボリス・アクーニン作、沼野恭子訳
『ファンドーリンの捜査ファイル リヴァイアサン号殺人事件』
(岩波書店)
ボリス・アクーニンは日本通で、そのペンネームは日本語の「悪人」に由来する、
という豆知識は前からあったけれども、実際に読んだのはこの本が初めて。
作者が日本通であることは、内容からも伝わってくる。
舞台は19世紀末。
推理小説としての面白さのなかに、当時のヨーロッパとアジアの人的交流、
さらには国家間の利益争いまでが風刺的に盛り込まれていて、暗示的。
個人的には、
こういう本を原語で、辞書などに頼らずスイスイ読めるくらい
ロシア語をきちんとマスターしたい、という欲が出てきた、
という意味でもありがたい本だった。
でも、その前にアクーニンの全作品が日本語訳されてしまったら、
怠けてしまうかも。
アクーニンさん、ぜひとも長生きして、たくさん本を書いてください。