イルクーツクの風の音 

ロシアの中部、シベリアの南、ヨーロッパ文化の辺境、アジアの片隅、バイカル湖の西にある街を拠点にしている物書きの雑記帖                  written by Asami Tada ©2020多田麻美

イルクーツクの雪景色

うかうかしていたら、明日から3月。

さらに一週間ちょっと後の3月8日からは、

冬とお別れするお祭り、「マッスレニッツァ」の週が始まる。

厳しい冬とはいえ、お別れはちょっと寂しいので、

最近の雪景色を連ねてみたい。

 

まずは、どこか音符のようにも見える、

優雅なひなたぼっこ。

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まるで木の一部であるかのような、

小鳥たちのためのエサ箱。

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野ざらしなのに、風格はたっぷり。

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映画のセットみたいだけれど、やっぱり無いよりはあった方がいい。

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上に載っているものは何のシンボルだろう?

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前途は多難……。

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大洪水の時も冠水しなかったと言われる、通称エルサレムの丘。

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天然の丘の上に直接建てられた、世界でも珍しいとされる教会。

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窓の中をのぞいたら……そこは空だった。

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仲良しの双子のよう。

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春が近づいたら、つららや屋根の雪には要注意!

とくにつららは、危ないらしい。

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墓地のために建てられたという教会。

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街中にいても、ふとした瞬間に、視野がふわっと広がるのが、何だかいい。

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氷と雪で楽しむシベリアの冬

事前にお知らせしようと思いつつ、うっかりしてしまい、すみません。

今日27日朝のNHKラジオ『マイあさ!』の「海外マイあさだより」と言うコーナーで、少しおしゃべりしました。

こちらの聞き逃しサービスで聴くことができます。

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html...

恐らく、5時46分前後から始まります。

3月6日の4:55まで配信されているようです。

 

以下は、ラジオでもご紹介したスケート場の風景です。

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左に行けば足で滑る場所、右はお尻で滑る場所。

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先回は眺めただけですが、この滑り台、けっこうスリリングです。

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そう大きなリンクではないのに、レンタルできる靴はよりどりみどり。

f:id:lecok:20210206162236j:plainやはり、新型コロナ流行のせいか、滑っている人はあまり多くありませんでした。

 

ラジオ深夜便「アジアリポート」でお話します

今晩深夜12時10分頃から、関西発ラジオ深夜便の「アジアリポート」というコーナーで、でイルクーツク地区の冬の寒さと防寒対策などについてお話します。

同じ内容は聞き逃しサービスでも聞くことができますので、また追ってリンクなどお知らせします。

『シベリア・イルクーツク生活日記 第八回』&村の雪景色

あれこれ事情があり、投稿が遅れがちとなっていましたが、

集広舎のサイトに連載中の

『シベリア・イルクーツク生活日記』、第八回

が掲載されました。

 

以下はおまけで、先日訪れた村の冬景色です。

 

雪のマジック。ただの柵も雪化粧で独特の趣に。

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ロシアの電柱は二本で支えるタイプが多いのですが、

民間の信仰では、二本の電柱の間を通るのは、縁起が悪いとされているようです。

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集落へと続く道の途中。同行した二人にとっては記念の場所らしく、

ここでなぜか乾杯。

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夢見る人のための椅子

ロシアの新年の初夢

東京か北京かモスクワか、

よくわからない街で地下鉄に乗ろうとして、

専用のICカードを出すが、なぜか

昔の紙の切符のように切れ込みが入っており、

これじゃあ使えないや、と売り場で買い直そうとするも、

なかなかうまく買い直せず、焦る

という夢だった。

 

夢の中で、よくこういう情況に出会わないだろうか。

何かややこしいことが起きていて、

それを早くどうにかしようと躍起になっているのだが、

ある時点で、「これはもしや、現実ではないのでは」と気づく。

 

そこで、いっそ目を覚ましてしまえば、

すべてが楽になるのでは、と思い、

えいや、とすべてを置き去りにして目を覚ます。

すると、確かに目の前には問題など何もなく、

心地よいふとんの中で、心からほっとする。

 

今回の夢でもそういうことになり、

夢と現実の境のようなものがありありと感じられて、

不思議な心持になった。

 

でももちろん、夢より現実の方が楽とは限らない。

先日、

きっと夢の中での方が、座り心地が良さそうな椅子に出会った。

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後ろは『ありふれたファシズム』などの名作で知られる映画監督、

ミハイル・ロンムの故居。

ってことはきっと、これは夢見る人のための椅子なんだろう。

 

 

 

 

古いけど新しく、吉だけど凶な寝正月

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明日14日は、ロシアの旧暦での新年。

こちらでは、「古い新しい年」と呼ぶ。

ややこしいが、一応は毎年1月14日で固定されているので、

中国の春節よりは覚えやすい。

 

というわけで、前夜である今は、

いったい古い年なのか新しい年なのかあいまいなのだが、

いずれにせよ私は半分寝正月。

しっかり休めるご身分、というのならいいのだけれど、

じつはそうでなくて、仕事疲れと

風邪薬の副作用で眠くなって寝てしまう寝正月。

 

ちなみにイルクーツクでは最近、弱く長い揺れが続いた地震があり、

その直後に布団に入った私はその晩、初夢を見た。

この上なく分かりやすいことに、建物の中で大地震に遭う夢だった。

揺れ始めた直後に建物から逃げ出し、自分は助かるものの、

建物は全壊してしまったため、

泣き叫びながら中にいた知り合いを探し、見つけ出す、という展開。

 

初夢でこれとは、げんなり。

夢占いを見ると、こういう夢には吉凶入り混じった意味があるらしい。

吉になる可能性が残されているのはいいが、

吉と凶という正反対のものが同居しているのは、どうも落ち着かない。

それはまさに人生そのものでもあるのだけれど。

 

それはそうとして、ロシアの初夢は明日以降に見る夢のはず。

ネジを巻き直して、いい夢見なくては。

 

マイナス三十度でも光るべきものは光る

あっという間に年が変わり、

丑年がいよいよ始まりました。今年もよろしくお願いします。

 

昔、食べてすぐ寝たりすると、「牛になるよ」と言われたりしましたが、

去年の仕事を持ち越してしまったため、牛になりたくてもなる暇がない、

ちょっと慌しい年明けです。

 

幸か不幸か、イルクーツクは零下30度前後の日々が続いており、

零下35度になった時も。

さすがに、ふらふら遊びに行く気分にもなれず、

閉じこもるのにはもってこい。

 

ただ、新年が明けたらすぐに花火やクラッカーを放ち、

公園のクリスマスツリーを見にいくという行事は、

嬉しくも実現することができました。

 

明けたてほやほやの深夜0時台、

外の気温はマイナス27度。

わずかに白く煙った空気に、

どこか質量のようなものが感じられるような夜、

寒気に負けじと健気に光る公園のイルミネーションに、

気を引き締めて今年も頑張ろう、

と決意を固めたのでした。

 

こちらは、先回のカードにも登場したイルミネーション。光るとこうなる。

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こちらもカードにご登場いただいたメンツ。

なんと、お光りになるとは!

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お星さまとお月さま。

星の方が大きいけど、比べてみて改めて月の光の引き込まれるような美しさに気づく。

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なぜかルーブルに支えられた雪の結晶

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こちらのイベントで定番の風船。

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かわいい子馬!と思って近づいたら、牛だった。

ごめんなさい。今年の主人公なのに。

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では、

新しい年が、この世の誰もにとって、

明るく、希望が感じられるものとなりますように。

 

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